アプリとゲーム
アプリのプライバシーポリシーの作り方
アプリのプライバシーポリシーを作るには、アプリとそのSDKが収集するすべての種類のデータを挙げ、なぜ使うのか、誰が受け取るのか、どれくらい保存するのか、利用者がどうすれば削除したり権利を行使したりできるのかを説明します。そのうえで公開URLで公開し、ストアの掲載情報とアプリ内にリンクを置き、Google PlayとAppleへのプライバシーに関する回答と一致させ続けましょう。
ステップ1:権限とデータの流れを整理する
1文でも書き始める前に、マニフェスト、Info.plist、バックエンドを開き、やり取りされるすべてのデータを書き出しましょう。プライバシーポリシーの正確さは、この整理の正確さで決まります。
機能ごとに確認していきます。
- 権限:カメラ、マイク、写真、連絡先、正確な位置情報またはおおよその位置情報、Bluetooth、通知、健康データなど、OSが利用者に許可を求めるもののすべて
- 利用者が入力するデータ:氏名、メールアドレス、プロフィール写真、メッセージ、サポートへの問い合わせ、支払い情報、自由記述のメモ
- 自動的に生成されるデータ:端末識別子、IPアドレス、アプリの操作、クラッシュログ、パフォーマンスのトレース、プッシュトークン
- ほかから得るデータ:ログインのプロバイダー、決済代行会社、パートナー、自社のWebサイト
各項目について、端末内にとどまるのかサーバーに送信されるのかを記録します。両ストアとも、端末内でのみ処理されるデータは収集されていないものとして扱います。Appleは端末上でのみ処理されるデータは「収集」されていないとしており、Googleは端末上での処理をデータセーフティで開示する必要はないとしています。この区別は後で重要になるため、今のうちに記録しておきましょう。そのうえで、目的、受け取り手、保存期間を記録します。
なぜアプリにプライバシーポリシーが必要なのか
結論から言えば、プライバシーポリシーがなければ2大アプリストアで公開できません。Google Playのユーザーデータに関するポリシーは、すべてのアプリがPlay Consoleの所定の欄とアプリ内にプライバシーポリシーのリンクを掲載しなければならないとし、個人情報やセンシティブなユーザーデータに一切アクセスしないアプリでもプライバシーポリシーの提出が必要だと明記しています。AppleのApp Reviewガイドラインは、App Store Connectとアプリ内にプライバシーポリシーへのリンクを求めています。
ストアのルールは話の半分にすぎません。EUと英国のGDPRなどのプライバシー法は、個人データを収集する時点で、それをどう扱うかを人々に伝えることを求めており、カリフォルニア州のCalOPPAは、カリフォルニア州の住民から個人を特定できる情報を収集する商用オンラインサービスにプライバシーポリシーの掲載を求めています。アプリに複数の地域の利用者がいれば、こうしたルールのいくつかが同時に適用されることがあります。
良い知らせは、正確でよく構成された1つの文書で、ストアと法律の両方に対応できることです。自分のプロジェクトが対象になるかまだ分からない場合は、プライバシーポリシーは必要かから始めましょう。アプリが本当に端末の外に何も送信しない場合は、データを収集しないアプリのプライバシーポリシーのガイドをお読みください。
ステップ2:ビルドに含まれるすべてのSDKを確認する
アプリのプライバシーポリシーの多くは、ここで間違えます。Googleは、アプリ内のライブラリやSDKが収集するデータは、データの送信先が自社のサーバーか第三者のサーバーかにかかわらず、データセーフティのフォームに反映しなければならないとしています。AppleのApp Privacyの詳細も同様に、組み込んだコードを提供する第三者パートナーの取扱いを含めることを求めています。
ネットワークと通信しうるすべての依存関係を挙げ、それぞれのドキュメントを確認しましょう。
- Firebase Analyticsや同様のイベントトラッカーなどのアクセス解析
- クラッシュレポートとパフォーマンス監視
- 広告識別子を使うことが多い広告SDKとメディエーションSDK
- インストールキャンペーンを測定するアトリビューションツールとディープリンクツール
- 「Appleでサインイン」や「Googleでログイン」などの認証プロバイダー
- 決済、サブスクリプション、プッシュ通知、チャット、カスタマーサポートのウィジェット
多くの提供元は、ストアでの開示に特化したページを公開しています。GoogleはデベロッパーにPlay SDK Indexも案内しています。当サイトのFirebaseのプライバシー開示とアクセス解析のプライバシー開示のガイドでは、通常何を記載する必要があるかを紹介しています。使っていないSDKは削除しましょう。使われていないライブラリも、正確に保つべき開示事項の1つになってしまいます。
ステップ3:アプリのプライバシーポリシーに必要なセクションを書く
整理が終われば、構成はほぼ自然に決まります。Google Playのユーザーデータに関するポリシーは、デベロッパー情報とプライバシーに関する連絡窓口、アクセス・収集・使用・共有する個人情報とセンシティブなデータの種類、安全なデータの取扱い、保存と削除の方針を求めており、これらすべてをプライバシーポリシーであると明確に表示することを求めています。Appleのガイドライン5.1.1(i)は、何をどのように収集するか、すべての用途、第三者が同等の保護を提供することの確認、保存と削除、利用者が同意を撤回したり削除を請求したりする方法を求めています。
実践的な構成案は次のとおりです。
- 運営者、アプリ名、プライバシーに関する連絡方法
- 収集するデータ(取得元ごとに分類)
- 各カテゴリーを使う理由(GDPRが適用される場合は法的根拠を含む)
- データの受け取り手(SDKの提供元と処理者の名称を含む)
- データの保存期間と削除の仕組み
- 利用者の権利とその行使方法
- 子ども、国際的な移転、セキュリティ
- 変更の告知方法と施行日
解説付きの完全なチェックリストは、プライバシーポリシーに含めるべき内容をご覧ください。
ステップ4:Google PlayのデータセーフティとAppleのプライバシーラベルに合わせる
審査担当者も利用者も、ポリシーとストアでの申告内容を比較するため、これらは一揃いの文書として扱いましょう。Google Playでは、すべてのデベロッパーがデータセーフティのフォームに記入しなければならず、記入を完了するにはプライバシーポリシーが必要です。App Storeでは、データの種類、それぞれが利用者に紐づけられるか、トラッキングに使われるかについて、App Privacyの質問に回答します。
これらの整合を保つうえで、2つの定義が役立ちます。
- Appleは、「収集」とは、リアルタイムで要求に応えるのに必要な時間を超えて、自社やパートナーがアクセスできる形でデータを端末の外に送信することだとしています。
- Googleは、リアルタイムの要求のためにメモリ内にのみ保持される一時的に処理されるデータも、フォームには含めなければならないが、掲載情報には表示されない場合があるとしています。
天気予報を取得するために位置情報を送信し、何も保存しない天気アプリは典型的な例です。それでもポリシーで、要求に応えるために位置情報を天気情報の提供元に送信すると記載することはでき、それは誠実で、両方のラベルとも矛盾しません。
リリースでデータの種類やSDKが増えるたびに、ポリシー、データセーフティ、App Privacyの回答をまとめて更新しましょう。ストアごとの項目については、Google Play向けプライバシーポリシー作成ツールとApple App Store向けプライバシーポリシー作成ツールのページで解説しています。
ステップ5:アカウントの作成と削除について説明する
アプリでアカウントを作成できるなら、両ストアとも利用者がそれを削除できることを求めています。
Google Playは、アカウント作成ができるアプリに対し、アプリ内からそしてWebリンクからも削除を請求できるようにすることを求めており、そのリンクはアプリを再インストールしなくても機能するもので、Play Consoleに入力します。Googleのユーザーデータに関するポリシーは、利用者の請求によりアカウントを削除する場合、セキュリティ、不正防止、法的義務などの限られた例外を除き、関連するユーザーデータも削除しなければならないとしています。Appleのガイドライン5.1.1(v)は、アカウント作成に対応するアプリはアプリ内でアカウント削除も提供しなければならないとしています。
プライバシーポリシーでは、利用者に次のことを伝えましょう。
- アプリ内とWeb上で、削除の手段がどこにあるか
- 何が、どれくらいの期間で削除されるか
- 税法上必要な購入記録など、何を保持するか、そしてその理由
- 削除が処理者の保有するデータにどう影響するか
バックアップがデータを30日間保持するなら、即時削除を約束してはいけません。実際の期間を説明しましょう。Play Consoleの削除に関する項目は、Google Playのプライバシーポリシーガイドで詳しく解説しています。
ステップ6:ストアとアプリ内にリンクを掲載する
誰も開けないプライバシーポリシーは、ないのと同じです。Google Playは、ポリシーを有効で一般公開され、地域制限のないURLで公開し、PDFは不可とし、編集できない状態であることも求めています。Appleは、App Store Connectに一般公開されたプライバシーポリシーのURLを求めています。
アプリ内では、利用者が実際に目を向ける場所にリンクを置きましょう。
- 設定、アプリ情報、アカウントの画面
- 会員登録やオンボーディングの画面(同意のチェックボックスがあればその隣)
- センシティブな機能の権限についての説明の近く
ポリシー内のリンクは、ジャストインタイムの通知の代わりにはならないことに注意してください。Googleの目立つ開示に関するルールは、利用者が予想しない方法でアプリが個人情報やセンシティブなデータを収集する場合、通常の利用中にアプリ内で開示を表示しなければならず、プライバシーポリシーにだけ記載するのでは不十分だとしています。
まだWebサイトがない場合は、プライバシーポリシーのURLを用意する方法のガイドで、ホスティングの選択肢を比較し、提出前にリンクをテストする方法を紹介しています。
アプリにはどのプライバシー法が適用されるのか
プライバシー法は、オフィスの所在地ではなく利用者の所在地に従います。テキサス州やトロントにプレイヤーがいるプラハの個人開発者は、複数の制度の対象になりえます。アプリに最もよく関係するのは次のとおりです。
- EUのGDPRとUK GDPR:欧州や英国の人々にアプリを提供する場合。詳細な透明性の義務と利用者の権利がある
- カリフォルニア州のCCPAとCPRA:法定の基準を満たす事業者が対象。加えてCalOPPAは、カリフォルニア州の住民から個人情報を収集するオンラインサービスにポリシーの掲載を求める
- その他の米国の州のプライバシー法:それぞれ独自の基準と権利がある
- COPPA:アプリが13歳未満の子どもを対象とする場合、または子どもからデータを収集していると知っている場合
- ブラジルのLGPD、カナダのPIPEDA、オーストラリアのPrivacy Act、ニュージーランドのPrivacy Act 2020
すべての専門家になる必要はありません。利用者にとってどれが該当しうるかを把握し、ポリシーがそれらの求める開示をカバーしていることを確認すればよいのです。当サイトのプライバシー法ガイドでは、GDPRプライバシーポリシーガイドとCCPA・CPRAガイドをはじめ、各法律がプライバシーポリシーに何を記載するよう求めているかをまとめています。
Legal Policy Generatorでアプリのプライバシーポリシーを作る仕組み
白紙から書くより質問に答えたい場合は、アプリ向けプライバシーポリシー作成ツールがデータの整理を文書にします。アプリケーションの用途を選び、アカウント、権限、SDKの提供元、決済、削除、子ども、対象地域について平易な言葉の質問に答えます。
実際の仕組みは次のとおりです。
- 実行時にAIが条項を書くことはありません。条項はバージョン管理されたライブラリから取得され、回答から決定論的に選択されるため、同じ回答からは同じポリシーができます。
- 質問票と完全なプレビューは無料でアカウントも不要、シンプルなHTMLとPDFのダウンロードも無料です。
- 高度な地域別モジュールやオプションのモジュールは$5で、EUとGDPR、英国、CCPAとCPRAを含む米国の法律、CalOPPA、COPPA、その他の州、ブラジル、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドをカバーします。
- 任意の公開ホスティングは1回限りで$0.99が追加され、Play ConsoleやApp Store Connectに貼り付けられる公開ページが手に入ります。
Codex、Claude Code、ChatGPTなどのAIコーディングエージェントで開発している場合は、開発者向けMCPサーバーを使うと、エージェントがコードベースを調べ、確認用の非公開の草案を作成できます。生成されたポリシーは回答を反映したものであり、法的助言ではありません。
提出前のアプリ用プライバシーポリシー・チェックリスト
初回だけでなく、ストアに提出するたびにこのリストを確認しましょう。
- マニフェストとInfo.plistのすべての権限について、目的がポリシーに記載されている。
- 端末の外にデータを送信するすべてのSDKが、目的とともに名称または説明で記載されている。
- ポリシー、データセーフティのフォーム、App Privacyの回答に同じデータの種類が記載されている。
- 広告識別子とトラッキングは、実際に使っている場合にのみ記載されている。
- アカウント削除がアプリ内で(Google PlayではWeb上でも)でき、ポリシーでそれが説明されている。
- バックアップやログを含め、保存期間が実態に基づいている。
- 子どもについて触れている。アプリが子どもを対象としていないか、子ども向けのセクションが完全で確認済みである。
- 連絡先、ストアの掲載情報に表示されるデベロッパー名、施行日が最新である。
- URLがスマートフォンでログアウトした状態でも開け、PDFのダウンロードやホームページへのリダイレクトにならない。
- 利用者が見つけられる場所で、アプリ内からポリシーにリンクしている。
アプリの成長とともにプライバシーポリシーは実態とずれていくため、データに関わる機能を追加するたびに見直しを予定しましょう。プライバシーポリシーを更新すべき頻度のガイドでは、実践的な見直しのきっかけを紹介しています。
よくある質問
アプリとWebサイトで同じプライバシーポリシーを使ってもよいですか?
両方を正確にカバーしていれば使えます。多くのデベロッパーは、Webサイトとアプリそれぞれのセクションを設けた1つのポリシーを公開しています。アプリ名を明記し、権限やSDKなどアプリ固有のデータを説明し、ストアでの申告内容と一致させましょう。何が変わるかはWebサイトとアプリのプライバシーポリシーの違いのガイドで解説しています。
ログイン機能のないアプリにもプライバシーポリシーは必要ですか?
はい。Google Playはすべてのアプリにプライバシーポリシーを求め、Appleはすべてのアプリにプライバシーポリシーのリンクを求めています。アカウントのないアプリでも、アクセス解析、クラッシュレポート、広告を使っていることが多く、それらは端末のデータを収集します。ログインがなければ、ポリシーはアカウントのセクションを省き、端末と利用状況のデータを中心に説明するだけです。
アプリ内のどこにプライバシーポリシーのリンクを置くべきですか?
利用者が探し回らずに見つけられる場所に置きましょう。設定、アプリ情報、アカウントの画面が最も一般的で、会員登録の画面にもリンクを置くアプリが多くあります。Google Playはアプリ内にリンクまたはポリシーの本文を置くことを求め、Appleはアプリ内からアクセスできることを求めています。
アプリのプライバシーポリシーは自分で書けますか?
書けます。データの整理から始め、ストアの要件に従い、保存期間、権利、連絡先が抜けないよう構成案を使いましょう。作成ツールを使えばより速く進められます。子どものデータ、健康データ、正確な位置情報のトラッキングなどリスクの高い処理については、資格のある弁護士に確認してもらいましょう。
プライバシーポリシーがストアのラベルと一致しないとどうなりますか?
ポリシー、Google Playのデータセーフティ、AppleのApp Privacyの詳細の食い違いは、審査での却下、措置の通知、削除につながることがあります。利用者の信頼も損ないます。リリースでデータの収集が変わったりSDKが増えたりするたびに、3つをまとめて更新しましょう。
このガイドで確認した公式情報源
プラットフォームのルールや法令は変更されることがあります。公開前や重要な判断の前に、最新の条文を確認してください。